| 33 | == やらなければいけない事じゃないかも == |
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| 35 | '''ここで逆の話をしなければいけません。'''日本および諸外国の著作権法では、一般に、工業製品の設計は保護されないのです。工業製品の設計には著作権はありません。たまに「設計ではなくて、設計図の図面なら描いた物だから著作権が発生するだろう」と解釈する人がいますが、これもダメです。判例もあって、すでに否定されています。したがって、著作権が有る事を前提とした「CC BY-SAに従え」というルールには、そもそも法的根拠がありません。 |
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| 37 | CC BY-SAに従う必要は無いかも知れません。もしも争いになったら、裁判には負けないようにも思います。しかしながら、一定の努力と苦労の結果である設計を公表してくれた人の「表示をしてほしい、規約を継承してほしい」という'''お願い'''を無視するというのは、お行儀の良い事ではありません。世界中の同業者やお客様から軽蔑されるでしょう。ここでは、法的根拠は無いものの、お願いには従っておく方がいいと思います。 |
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| 39 | ただ、Arduinoの回路図を見ればわかるように、設計はとてもシンプルで簡単です。マイコンのGPIOの何番を何番端子に出すという情報さえあれば、元の回路図を見ずに設計する事は容易です。むしろ、誰が設計をしてもほとんど同じになるでしょう(だからこそ、工業製品の設計には著作権が主張できないのです)。Arduinoに似た回路ならば、どんな物でもArduinoの規約に従わなければいけないとしたら、それはそれで問題です。上記の「お願い」を過度に尊重し、あるいは誰かの設計について「Arduinoの改変ではないか」と疑うというのは避けなければいけません。 |
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| 41 | この項を読むと、何をやらなければいけないのか、やらなくていいのか、さっぱりわからなくなった事と思います。このように、法的根拠が無く、またはっきりと決まっていない事こそが、オープンソースハードウェアの弱点だと言えるでしょう。 |