= Arduino互換機の作り方 = Arduinoはオープンソースハードウェアです。ソフトウェアじゃないのにオープンソースって何だよって話もありますが、ようするに、設計が公表されていて、一定のルールのもとで再利用が可能なハードウェアです。つまり、全く同じ回路の製品を作ってもいいし、それを売ってもいいのです。 == やっていい事 == たとえばArduino Unoの回路図および基板アートワーク(銅箔パターン設計)は、[http://arduino.cc/en/Main/ArduinoBoardUno このページで公表されています]。この回路図または基板アートワークを使って、似たような製品を作る事が許されています。個人的に使うだけでなく、売ってもかまいません。この時、Arduinoの作者に許可を得る必要はありません。 * 基板アートワークから、全く同じ製品を作る。 * 基板アートワークを少し変更して、似た製品を作る。 * 回路図から、自分で基板アートワークを描いて、回路は同じだけど見た目の違う製品を作る。 * 回路図を変更して、基板アートワークも描いて、回路も見た目も違う製品を作る。 == やらなければいけない事 == あとで書きます。 == やってはいけない事 == 「Arduino」は、Arduinoの作者(法人化されています)の登録商標であるため、この商標を勝手に使うことができません(イタリア、米国、日本他で登録されています)。つまり、あなたが開発または製造した製品を「Arduino」と名乗る事は許されていません。また、Arduinoのロゴ画像を製品またはパッケージに使う事も許されていません。 この「許されていない」は、商標法による規定です。そのため、'''違反すると、民事上の係争ではなく刑事上の犯罪'''です。しかも、'''著作権法違反(親告罪)とは異なり、権利者による告訴は必要ではありません'''。また、「私は製造していない、~~中国~~どっかから買ってきただけだ」という理由で責任を免れる事はできません。 たとえば、以下のような名称はダメです。 * Arduino ◯◯◯◯◯ * ◯◯◯◯◯ Arduino * Arduino Compatible ◯◯◯◯◯ 代わりに以下のような名称を使うよう推奨されています。 * ◯◯◯◯◯ for Arduino ←Arduinoに接続して使える事を示す * ◯◯◯◯◯ (Arduino Compatible) ←Arduino互換品を示す [http://arduino.cc/en/Main/FAQ このページの「What should I call my boards?」を参考にしてください。] == なるべくやらないほうがいい事 == 規約上許されてはいますが、何の工夫も無い全く同じ製品を製造するのは、褒められた事ではありません。たいていの場合、劣化コピーにしかなりません。なにしろ、本物のArduinoは、年間数十万個の規模で大量生産されているのです。基板にせよ、ハンダ付けにせよ、少量生産では決して勝てない品質です。劣化コピーをお客様に提供したとして、どんなメリットをお客様に提供できるのでしょうか。 商品の名前を「◯◯◯duino」にするのは、よく見られますが、これはあまりお勧めできません。Arduinoの作者は、「もっと頭を使って素敵な名前を考えてくれ」とはっきり言っています(意訳)。それに、イタリア人にとっては、とても恐ろしい名前に聞こえるのだそうです。 ''2014/8/4''