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Craft ROBOを使ったリフローはんだづけ用ステンシルの作製
このページでは、リフローに欠かせないステンシルを、クラフトロボを使って紙で作る方法を紹介しています。
表面実装部品をハンダ付けする際には安全で便利なリフローですが、クリームはんだ(はんだペースト)を塗るのが大変なのが難点です。 このページで紹介する方法では、ご家庭でも簡単にステンシルを作成し、クリームはんだを基板に塗ることができます。 ステンシルを作成したあとは、ご自宅リフローキットのページを参考に、ご自宅でリフローしてみて下さい!
レシピ
準備するもの
- クラフトロボ*
- クラフトロボ用ソフトと、EAGLE v5がインストールされたPC
- カッティング台紙(何度か使って劣化してる方が都合いい)
- 厚めの雑誌(台にするのでなんでもいいです)
- ポリプロピレン合成紙(ポリプロピレン合成紙はこちらからご購入いただけます。)
- cream-dxf(cream-dxfはこちらからダウンロードできます。)
- セロハンテープ
手順
- cream-dxfをダウンロードし、Eagleを展開したフォルダの中のulpフォルダの中に入れる。
- EAGLE v5を起動し、ステンシルを作りたいボードの.brdファイルを開く。現時点では、EAGLE v6には対応していません。EAGLE v5をお使いください。
- 写真の「ここ」の部分に以下を入力し、キーボードのエンターを押す。
run cream-dxf.ulp -2 -c -s 0.05
- .brdファイルが入っているフォルダの中に「〇〇-bcream.dxf」と「〇〇-tcream.dxf」というファイルができる。(〇〇の部分は.brdファイルの名前)
- 〇〇-bcream.dxfは基板の裏面、〇〇-tcream.dxfは表面のdxfファイル
- CraftROBOに付属しているROBO Masterを使ってdxfファイルを開く。
- 開くと描画エリアの左下の方に表示されるので、全選択して真ん中の方に移動させる。させないと、うまく切り取れないことがあって悲しくなります。
- 以下のように切り取りの設定をする
品質:1 紙:33 デザインの向き:横 *黄色いキャップをつけろと言われるが、無視して必ず青いキャップをつける。 紙を33に設定すると、ソフトは厚紙と認識してしまうが、実際に使うポリプロピレン合成紙は薄いので青色キャップでないとカッティング台紙まで切れたりえぐれたりする。 紙を33に設定するのは、ポリプロピレン合成紙が少し固いため、強く切ってほしいからです。
- ポリプロピレン合成紙をカッティング台紙に貼る。
- 新しいカッティング台紙は粘着力がありすぎるので、何度か使用して粘着力が弱くなっているものを使って下さい。新しいカッティング台紙を使う場合は、粘着面を布などに数回押し付けて、粘着力を下げてから使って下さい。下げていないと、台紙から合成紙をうまくはがせなくなります。
- クラフトロボに用紙をセットする。
- 合成紙が平らにクラフトロボに入って行けるように、下に雑誌などを置くと良いです。カッティング台紙の粘着力を弱くしてるので、紙と台紙の間に隙間ができたりしていると、うまく切れないことがあります。
- 切る。
- セロハンテープで、切った部分を取り除く
- この工程が一番大事です!これをやらないと、切り取った細かい部分を外すのに苦労するばかりで悲しい気持ちになります。
- ポリプロピレン合成紙を台紙からはがす
- はがすときは、紙を台紙から引っ張るのではなく、必ず台紙を曲げてはがして下さい。ポリプロピレン合成紙はのびやすいので、引っ張るとのびてしまって使えなくなったりします。
左の写真のようにはがして下さい。紙を無理に引っ張るとの右の写真のようになります。
- できあがり!
*クラフトロボとは?
グラフテック株式会社さんの製品で、はさみやナイフを使わずに、簡単操作で紙やフィルムを自由に切ることができるカッティングマシンです。
お手持ちのパソコンに繋ぐことで、複雑な図形もきれいにカットできます。
クラフトロボでは、DXFファイルを読み込んでそれに従って切り取ることができます。
基板設計ソフトであるEagleでは付属のdxf.ulpでDXFを出力することができますが、DXFの互換性の問題でクラフトロボで読み込むことができなかったため、
自作のcream-dxfを作成したのでした。
クラフトロボの詳細はこちらをご覧下さい。
ステンシルを作ったあとは…
クリームはんだの印刷からリフローまでは「ご自宅リフローキット」のページを参考にして下さい。 よろしければ動画もどうぞ!
おまけ
ここからは、クラフトロボでステンシルを作成するに至るまでの試行錯誤を紹介します。
先人の事例
- レーザーカッター
たとえば、Adafruitさんがやっています。 ここでは、カプトンフィルム(ポリイミドフィルム)を使っています。 カプトンは熱を加えても融けないため、開口部の周囲が盛り上がってしまう事がありません。 これは利点ですが、カプトンは高価なのが難点です。また、融けない=燃やして穴を開けるため、ピッチが細かい物はうまくいかないようです。 カプトンを加熱すると有毒ガスが出てくるのもイヤです。 カプトンの代わりにPETフィルムを使うと、開口部の周囲が盛り上がる、開いた穴が融けて再融着してしまうという問題があります。 - カッティングプロッタ
たとえば、Instructablesでも、先人ががんばっています。 この手法では、データの処理に割りと手作業が多いのが難点です。 また、カッティングプロッタの機種のせいか、精度が低くて四角が楕円になってるのが問題です。
私たちは、カッティングプロッタを使って、より簡便で精度の高い方法を探る事にしました。
ステンシル用素材の試行錯誤
- 燐青銅板
エッチングまたはCNCミルで穴を開ける。 エッチングは、インドアプレーンのtokoさんがやってらっしゃいます。 データの前処理が大変、表裏のマスクの位置合わせが大変、ピッチが細かいと無理、廃液処理が大変。 CNCは、エンドミルの径をあまり細くできないので、開口部が丸くなります。また、高価なエンドミルがどんどんダメになる。 - PETフィルム(マイラー)
硬くて切り抜けない。100μmくらいが限度。硬いので、細かい部分が折れやすい。隣のパッドとつながる。 - 塩化ビニール
伸びる。アルコール等の薬品に弱い。 - ラミネートパウチ用フィルム(PET+塩化ビニル)
塩ビの層がネチャついて、切り抜けない事がある。同じ厚さのPETよりも切りやすいぶん、弱く、すぐにダメになる。 アルコール等の薬品に弱い。PETと塩ビの層がはがれる。 - カプトンフィルム(ポリイミドフィルム)
融けないので、レーザーで切った際に再融着しない、切り口が盛り上がらない。高価、加熱すると有毒ガスが出る。 - ポリプロピレン合成紙
水やアルコールに強い。あまり伸びない。手で切れないくらい丈夫だけど、カッターには弱いから切りやすい。 切り口はぼそぼそしていて、あまり綺麗ではない。願わくば、表面がツルツルだといい。
現在のところそれぞれ上記のような理由で、ポリプロピレン合成紙を使用しています。ポリプロピレン合成紙はこちらからご購入いただけます。
cream-dxfの工夫点
実は、ここがポイントなんです。
- 閉じた矩形を描く
クラフトロボの仕様により、パスの終点と次のパスの始点が近い場合につながってしまう。 - 矩形を2回描く
クラフトロボのカッターの刃の特性上、1回だと始点終点がうまく閉じず、切り抜けない場合がある。 - 開口部をデータよりも小さくする
データ通りの大きさで切ると、隣の足とつながることがある。
Attachments (11)
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