このページは現在作成中です! = Craft ROBOを使ったリフローステンシルマスクの作製 = このページでは、リフローに欠かせないステンシルマスクを、クラフトロボを使って紙で作る方法を紹介しています。[[BR]] == リフローのメリット/デメリット == リフローとは、表面実装の部品を利用する際によく使われるはんだづけの一種です。[[BR]] リフローのメリットは、はんだごてを用いる場合よりもやけどの心配が少なく、小さい表面実装部品のはんだづけが一度に簡単に行える点です。[[BR]] スイッチサイエンスでは、自社製品開発の最終段階において、リフローを利用して試作/テストを行っています。[[BR]] 一方で、デメリットとして、ペースト/クリーム半田を基板の必要な部分に載せることが難しい点が上げられます。[[BR]] メタルマスクや[http://www.cubesmt.com/index.shtml プラスチックマスク]は高額で、試作段階で発注するのは勇気がいりますし、[https://www.manncorp.com/dispensers/jb1113/index.php?auto=done ペーストディスペンサ]は手間がかかって大変です。[[BR]] [http://www.pololu.com/catalog/product/446 Pololu]ではステンシル作成サービスも行っていますが、頼んでから届くまでに時間がかかるため試行錯誤に向かないだけでなく、あまり細かいデータは表現できないため、試作/テストには向いていませんでした。[[BR]] そこでスイッチサイエンスでは、自前でステンシルマスクを作ることを考えました。 == いろいろ実験してみる == スイッチサイエンスでは、次の3つの方法を試してみました。 - レーザーカッター - カッティングプロッタ - クラフトロボ 1.レーザーカッター[[BR]] この方法は、[http://www.ladyada.net/library/smt/laserstencils.html ここ]を参考に試しました。[[BR]] この方法の最大の欠点は、カプトンフィルムが高額であることと燃やすと有毒ガスが出てしまうこと。なにより、レーザーカッターが高額であることです。[[BR]] また、フィルムを切り取ったときに開口部の周囲が盛り上がってしまい、はんだをうまく載せることができませんでした。[[BR]] 2.カッティングプロッタ[[BR]] この方法は、[http://www.instructables.com/id/Create-Solder-Paste-Stencils-with-Cricut/ ここ]を参考に試しました[[BR]] この方法の最大の欠点は、手作業が多いことです。また、カッティングプロッタの機種のせいか、精度が低くて使えませんでした。[[BR]] 3.クラフトロボ[[BR]] この方法は、上記の二つを参考に試し、現在はクラフトロボでポリプロピレン合成紙を切り取ることでステンシルマスクを作っています。[[BR]] == クラフトロボとは? == グラフテック株式会社さんの製品で、はさみやナイフを使わずに、簡単操作で紙やフィルムを自由に切ることができるカッティングマシンです。[[BR]] お手持ちのパソコンに繋ぐことで、複雑な図形もきれいにカットできます。[[BR]] 詳細は[http://craftrobo.jp/index.html こちら]をご覧下さい。 == ステンシルマスク用にデータを作る == クラフトロボでは、DXFファイルを読み込んでそれに従って切り取ることができます。[[BR]] 基板設計ソフトであるEagleでは付属のdxf.ulpでDXFを出力することができますが、DXFの互換性の問題でクラフトロボで読み込むことができません。[[BR]] そこで、スイッチサイエンスでは、cream-dxf.ulpを開発しました。[[BR]] ソースなどは[https://github.com/SWITCHSCIENCE/eagle-cream-dxf Github]で公開しています。これを使用すると、クラフトロボ用のDXFを出力することができます。 == cream-dxfの工夫点 == 1.閉じた矩形を描く[[BR]] 理由:クラフトロボの仕様により、パスの終点と次のパスの始点が近い場合につながってしまう[[BR]] 2.矩形を2回描く[[BR]] 理由:クラフトロボのカッターの刃の特性上、始点終点がうまく閉じず、切り抜けない場合がある[[BR]] 3.開口部をデータよりも小さくする[[BR]] 理由:データ通りの大きさで切ると、隣の足とつながることがある[[BR]] == ステンシルマスク用素材の選択 == 試作用ステンシルマスク用の素材として、以下の5種類を試しました。 - PETフィルム(マイラー) - 塩化ビニール - ラミネートパウチ用フィルム(PET+塩化ビニル) - カプトン - ポリプロピレン合成紙 現在のところそれぞれ以下のような理由で、ポリプロピレン合成紙を使用しています。[[BR]] PETフィルム(マイラー):硬くて切り抜けない。100μmくらいが限度。硬いので裂けやすい。隣のパッドとつながる。[[BR]] 塩ビ:伸びる。アルコールに弱い。(ハンダを載せ直す場合などにアルコールを使うことがあるため、致命的)[[BR]] ラミネートパウチ用フィルム(PET+塩ビ):塩ビの層がネチャついて、切り抜けない事がある。同じ厚さのPETよりも切りやすいぶん、弱く、すぐにダメになる。アルコールに弱い。PETと塩ビの層がはがれる。[[BR]] カプトン:高額[[BR]] ポリプロピレン合成紙:水やアルコールに強い。願わくば、表面がツルツルだといい。[[BR]] == 現在の問題点 == 1.クラフトロボ(廉価版)の分解能が低く、0.05mmしか無いために時々つぶれてしまうことがある。[[BR]] 2.合成紙は丈夫だが曲がりやすいため、開口部が汚い形状になってしまうことがある。[[BR]] 3.0.5mmピッチくらいの場合開口部が小さくなりすぎることがある。[[BR]] == 今後の課題 == 1.データから、実際の開口部の大きさを計算するルールを調整する。特にピッチが細かい場合に対応する。[[BR]] 2.開口部の形状をホームベース型にする。[[BR]] 3.パッドが矩形でない場合に対応する。[[BR]]