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HiKey Quick Start Guide
1. 使うもの
- MicroSDカード(必須ではない)
4GB以上、Class 10のマイクロSDカード推奨。 - HDMI(Type A) to HDMI/VGAケーブル
HDMIケーブル 1m
PLANEX HDMI to DVI変換ケーブル 1m - キーボードとマウス(必須ではない)
一般的なUSBキーボードとマウスであれば使えるはずです。ワイヤレスなど電力を消費するものは、セルフパワードのUSBハブを間に挟む必要があるかもしれません。 - DC電源
12V 2AのACアダプタを推奨。
PL03BからEIAJ3に変換するケーブル(オス) - Linuxがインストールされたパソコン
VMware WorkstationやVMware Fusionを使っても構いません。UbuntuかFedoraが良いでしょう。 - USBケーブル(A-microBタイプ)
HiKeyにOSを書き込むために使います。
USBマイクロBケーブル(1.8m)
USB2.0ケーブル(A-microBタイプ)50cm - 2mmピッチ ジャンパーピン
HiKeyにOSを書き込むために使います。
2. OSインストールの準備
HiKeyを愉しむ前に、OS(オペレーティングシステム)をマイクロSDカードかeMMC NANDフラッシュにインストールしなければなりません。DebianはマイクロSDカードとeMMC NANDフラッシュのどちらにもインストールすることができますが、Androidは今のところeMMC NANDフラッシュにのみインストールすることができます。下記の説明は、Linuxマシンを使って、マイクロSDカードやeMMC NANDフラッシュにOSイメージを書き込む方法です。
2.1 OSイメージのダウンロード
リリース版のDebianのOSイメージは、96Boards Buildsからダウンロードすることができます。Android Open Source ProjectのOSイメージは、96Boards Buildsからダウンロードすることができます。また、書き込みツールとブートローダは、https://builds.96boards.org/releases/hikey/linaro/binaries/latest/からダウンロードすることができます。
注:リリース版は安定版ですが、スナップショット版は安定していません。リリース版を使う事を推奨します。
OSイメージの書き込み前に、次のファイルを入手しましょう。
種類 | Debian | Android |
書き込みツール | hisi-idt.py l-loader.bin | hisi-idt.py l-loader.bin |
ブートローダ | fip.bin ptable-linux-8g.img nvme.img | fip.bin ptable-aosp-8g.img nvme.img |
カーネル | boot-fat.uefi.img | boot-fat.uefi.img |
ファイルシステム | eMMC: hikey-jessie_alip_2015MMDD-nnn-8g.emmc.img SD カード: hikey-jessie_alip_2015MMDD-nnn.img(カーネルとファイルシステム) | cache.img system.img userdata-8g.img |
注:'DebianのSDカード用イメージファイルは、カーネルとファイルシステムを含むhikey-jessie_alip_2015MMDD-nnn.img一つです。SDカードを使う場合、eMMCのブートローダを使い、SDカードの最初のパーティションにあるカーネルを読み込み、SDカードの二番目のパーティションをルートファイルシステムとしてマウントするためです。
2.2 ハードとソフトの準備
ステップ1: Ubuntu(例えばUbuntu 14.4 LTS)やFedoraをインストールします。
私は、VMware Fusionに、Ubuntu 15.10 Desktop 日本語 Remix 64bit版をインストールしました。以下はUbuntuでの進め方です。
ステップ2: fastbootをLinuxにインストール。
- 次のコマンドを入力して、インストールします。
sudo apt-get update sudo apt-get install android-tools-fastboot
注:インストールに失敗する場合、次のdeb sourceを/etc/apt/sources.listに追加してください。
deb http://archive.ubuntu.com/ubuntu trusty universe restricted main multiverse
- /etc/udev/rules.d/51-android.rulesを作ります。root権限が必要ですので、次の様にコマンドを実行します。
sudo vim /etc/udev/rules.d/51-android.rules
もしくは、次の様にしても良いでしょう。
sudo gedit /etc/udev/rules.d/51-android.rulesファイルを開いたら、次の内容を追加しましょう。
# fastboot protocol on HiKey SUBSYSTEM=="usb", ATTR{idVendor}=="18d1", ATTR{idProduct}=="d00d", MODE="0660", GROUP="dialout" # adb protocol on HiKey SUBSYSTEM=="usb", ATTR{idVendor}=="12d1", ATTR{idProduct}=="1057", MODE="0660", GROUP="dialout" # rndis for HiKey SUBSYSTEM=="usb", ATTR{idVendor}=="12d1", ATTR{idProduct}=="1050", MODE="0660", GROUP="dialout"
ステップ3: USBケーブル(A-microBタイプ)を使って、HiKeyのマイクロUSB端子とパソコンを接続します。また、ジャンパ1とジャンパ2をそれぞれジャンパピンでショートし、書き込みのため、HiKeyの電源を入れます。
ステップ4: 書き込み環境の確認
- hisi-idt.pyと、l-loader.binが必要です。
書き込みツールとブートローダは、https://builds.96boards.org/releases/hikey/linaro/binaries/latest/からダウンロードすることができます。
- 次のコマンドを実行し、HiKeyがLinuxに認識されていることを確認します。
ls /dev/ttyUSB*
これを実行すると、/dev/ttyUSB0が見つかるはずです。
- 次のコマンドを実行し、fastbootを実行する準備をします。
sudo apt-get install python2.7 python2.7-dev alias python=python2.7 sudo python hisi-idt.py -d /dev/ttyUSB0 --img1=l-loader.bin
最後のコマンドを実行すると、次の内容が表示されます。
+----------------------+ Serial: /dev/ttyUSB0 Image1: l-loader.bin Image2: +----------------------+ Sending l-loader.bin ... Done
表示されない場合、Pythonにserialがインストールされていないかもしれません。その場合、次のコマンドを実行します。
easy_install pyserial
3. Debianのインストール
DebianのOSイメージは、96Boards Buildsからダウンロードすることができます。
Debianの場合の、HiKeyのブートシーケンス
eMMCブート: DebianをインストールしたSDカードを挿入しない場合、HiKeyはeMMCからブートします。
SDブート: DebianをインストールしたSDカードを挿入すれば、HiKeyはSDカードからブートします。
eMMCとSDへのDebianの書き込み方法の違い
eMMCへの書き込み | sudo fastboot flash system hikey-jessie_alip_2015MMDD-nnn-8g.emmc.img |
SDカードへの書き込み | sudo dd if=hikey-jessie_alip_2015MMDD-nnn.img of=/dev/sdb bs=4M oflag=sync status=noxfer |
3.1 eMMCへの書き込み
ステップ1: ブートローダの書き込み(通常は、HiKeyボードにはDebianのブートローダが書き込み済みで出荷されています。)
- fip.binと、ptable-linux-8g.imgと、nvme.imgがある事を確認します。
- HiKeyの電源を入れ、Linuxで次のコマンドを実行して、疎通を確認します。
sudo fastboot devices
うまく疎通ができていれば、「0123456789abcdef fastboot」と表示されます。
- 次のコマンドで、HiKeyのeMMCに、パーティションテーブルとブートローダ、必要なファイルを書き込みます。
sudo fastboot flash ptable ptable-linux-8g.img sudo fastboot flash fastboot fip.bin sudo fastboot flash nvme nvme.img
ステップ2: カーネルイメージの書き込み
- boot-fat.uefi.img.gzがある事を確認します。次のコマンドを実行し、ファイルの解凍を行います。
gzip -d boot-fat.uefi.img.gz
- HiKeyの電源を入れ、Linuxで次のコマンドを実行して、疎通を確認します。
sudo fastboot devices
うまく疎通ができていれば、「0123456789abcdef fastboot」と表示されます。
- 次のコマンドで、カーネルイメージを書き込みます。
sudo fastboot flash boot boot-fat.uefi.img
ステップ3: ファイルシステムの書き込み
- hikey-jessie_alip_2015MMDD-nnn-8g.emmc.img.gzがある事を確認します。次のコマンドを実行し、ファイルの解凍を行います。
gzip -d hikey-jessie_alip_2015MMDD-nnn-8g.emmc.img
- HiKeyの電源を入れ、Linuxで次のコマンドを実行して、疎通を確認します。
sudo fastboot devices
うまく疎通ができていれば、「0123456789abcdef fastboot」と表示されます。
- 次のコマンドで、カーネルイメージを書き込みます。
sudo fastboot flash system hikey-jessie_alip_2015MMDD-nnn-8g.emmc.img
これで、eMMCのOSをアップデートできました。いちどDCジャックを抜いてHiKeyの電源を切りましょう。
ジャンパ2をショートしていたジャンパピンを取り外し、HDMIケーブルでHiKeyとディスプレイを接続します。電源を入れると、DebianがeMMCから起動します。
3.2 SDカードへの書き込み
- hikey-jessie_alip_2015MMDD-nnn.img.gzがある事を確認します。次のコマンドを実行し、ファイルの解凍を行います。
gzip -d hikey-jessie_alip_2015MMDD-nnn.img.gz
- SDカードをLinuxマシンに接続した上で、次のコマンドを実行し、SDカードのデバイス名を取得します。
sudo fdisk -l
例えば、8GBのSDカードを接続した状態でコマンドを実行すると、「Disk /dev/sdb: 7948 MB, 7948206080 bytes」等と書かれた行が見つかります。
この場合、「/dev/sdb」がSDカードのデバイス名です。このデバイス名で、Debianを書き込むディスクを指定します。間違えると他のディスクを書き換えてしまいますので、注意してください。
- 次のコマンドを使って、ファイルシステムを書き込みます。
このコマンドの「/dev/sdx」という部分で、Debianを書き込むディスクを指定します。さきほどfdisk -lで調べたデバイス名に「/dev/sdx」を書き換えてください。間違えると他のディスクを書き換えてしまいますので、注意してください。エンターキーを押す前に、3回は見直しましょう。
sudo dd if= hikey-jessie_alip_2015MMDD-nnn.img of=/dev/sdx bs=4M oflag=sync status=noxferファイルシステムの書き込みには時間を要します。
これで、SDカードにのOSを書き込むことができました。「3.1 eMMCへの書き込み」を済ませたHiKeyにSDカードを挿し、ジャンパ2がショートされていない状態で電源を入れると、DebianがSDカードから起動します。
4. Androidのインストール
Android Open Source ProjectのOSイメージは、96Boards Buildsからダウンロードすることができます。
ステップ1: ブートローダの書き込み(通常は、HiKeyボードにはDebianのブートローダが書き込み済みで出荷されています。)
- fip.binと、ptable-aosp-8g.imgと、nvme.imgがある事を確認します。
- HiKeyの電源を入れ、Linuxで次のコマンドを実行して、疎通を確認します。
sudo fastboot devices
うまく疎通ができていれば、「0123456789abcdef fastboot」と表示されます。
- 次のコマンドで、HiKeyのeMMCに、パーティションテーブルとブートローダ、必要なファイルを書き込みます。
sudo fastboot flash ptable ptable-aosp-8g.img sudo fastboot flash fastboot fip.bin sudo fastboot flash nvme nvme.img
ステップ2: カーネルイメージの書き込み
- boot_fat.uefi.img.tar.xzがある事を確認します。次のコマンドを実行し、ファイルの解凍を行います。
tar -Jxf boot_fat.uefi.img.tar.xz
- HiKeyの電源を入れ、Linuxで次のコマンドを実行して、疎通を確認します。
sudo fastboot devices
うまく疎通ができていれば、「0123456789abcdef fastboot」と表示されます。
- 次のコマンドで、カーネルイメージを書き込みます。
sudo fastboot flash boot boot-fat.uefi.img
ステップ3: ファイルシステムの書き込み
- cache.img.tar.xzと、system.img.tar.xzと、userdata-8gb.img.tar.xzがある事を確認します。次のコマンドを実行し、ファイルの解凍を行います
tar -Jxf cache.img.tar.xz tar -Jxf system.img.tar.xz tar -Jxf userdata-8gb.img.tar.xz
- HiKeyの電源を入れ、Linuxで次のコマンドを実行して、疎通を確認します。
sudo fastboot devices
うまく疎通ができていれば、「0123456789abcdef fastboot」と表示されます。
- 次のコマンドで、カーネルイメージを書き込みます。
sudo fastboot flash cache cache.img sudo fastboot flash system system.img sudo fastboot flash userdata userdata-8g.img
これで、eMMCにAndroidを書き込むことができました。いちどDCジャックを抜いてHiKeyの電源を切りましょう。
ジャンパ2をショートしていたジャンパピンを取り外し、HDMIケーブルでHiKeyとディスプレイを接続します。電源を入れると、AndroidがeMMCから起動します。