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長穴の作り方(Eagle編)


このページでは、Eagleを使ってスイッチサイエンスPCBの仕様に合った長穴の作成方法について説明します。画像は、クリックすると別タブで開きます。Eagle6.6を使ってスクリーンショットを撮っているので、アイコンの形が最新版と異なります。

1. スイッチサイエンスPCBの長穴の仕様を確認

長穴の仕様はスイッチサイエンスPCBの技術ガイドのページで確認できます。この仕様に沿った長穴を設計してください。

長穴ついて
・長穴の最小サイズは1mm×2mmです。
・長穴のデータが外形データ(GML/GKO)のガーバーファイルに書き出されるように、camファイルを設定してください。スイッチサイエンスが配布してるcamファイルを利用する場合は、設定の変更は必要ありません。
・Eagleをお使いの場合は、長穴を46番のレイヤに入力してください。
・Vカットと長穴は同じ基板上に製造することができます。

2. メッキ無し長穴の設計方法

下記画像の四角で囲っている部分に長穴を引いていきます。

まず、Wireコマンドを選びます。

次に「46 Milling」のレイヤを選びます。

最後に、長穴をいれたい箇所に、1mm x 2mm 以上の大きさになるように線を引きます。


これでメッキ無し長穴は完成です。


スイッチサイエンスPCBのガーバービューワーだと長穴を確認することはできませんが、製造上の問題はありません。


実物はこんな風に出来上がります。


メッキなし長穴をつくるときの注意事項

  • 長穴のサイズを1mm x 2mm以上にする。
  • レイヤは「46 milling」を使用する。Eagle以外のCADを使用する場合は、外形データ(GML/GKO)のガーバーファイルに書き出されるレイヤを使用する。


3. メッキ付き長穴の設計方法

メッキ付き長穴を作成するためには下記の5つのレイヤを使用します。

  • 1 Top
  • 16 Bottom
  • 29 tStop
  • 30 bStop
  • 46 Milling

メッキ付き長穴はメッキなし長穴と違い、端子として使用したいので、ライブラリとして作成します。

まず、New > libraries を選び、新しいライブラリを作成します。

つぎにICの形をしたpackageボタンを押して、ライブラリのアートワークにあたるpackageの作成を始めます。

新しくでてきたEditウィンドウのNewボックスにpackage名を入力して、OKボタンを押します。

メッキ無し長穴のときと同様、必要な穴のサイズになるように「46 milling」で線を引きます。

端子として認識させるため、周りのメッキはsmdコマンドで作成します。

smdのプロパティを開いて、Layerを「1 Top」、Roundnessを100%にし、Creamのチェックを外します。

今作ったパッドをコピーして、Layerを 「16 Bottom」に変更したら、表面のパッドに重なるように配置します。

これでメッキ付き長穴のアートワークは完成です。フロッピーボタンからアートワークを保存して、一度ライブラリを閉じます。

次に保存したライブラリを再度開いて、ANDの形をしたsymbolボタンを押して、ライブラリの回路図にあたるsymbolの作成を始めます。※

新しくでてきたEditウィンドウのNewボックスにsymbol名を入力して、OKボタンを押します。

Pinコマンドを選択して、端子をふたつ作ります。

端子のDirectionはioにします。

ふたつの端子をWireコマンドで接続します。

これでsymbolは完成です。最後に、packageとsymbolの対応を取るために、ICマークの左側のdeviceボタンを押して、deviceを作成します。

新しくでてきたEditウィンドウのNewボックスにsymbol名を入力して、OKボタンを押します。

Add SymbolコマンドでSymbolを追加します。

NewボタンからDeviceを追加します。

Connectボタンから、symbolのピンとdeviceのピンを対応させます。

最後のSaveボタンを押して、ライブラリの作成は終了です。


このライブラリはGitHubからダウンロードすることもできます。データをダウンロードするだけですので、GitHubのアカウントや特別なソフトなどは必要ありません。

まずGitHubのssci-eagle-publicにあるDownload ZIPボタンを押して、ZIPファイルをダウンロードします。

ダウンロードしたファイルを解凍します。解凍したファイルの中に入っているmilling.lbrがメッキ付き長穴のライブラリです。

milling.lbrをEagleのライブラリフォルダに移動させます。ライブラリフォルダがどこかわからない場合は、メニューバーのOptions > Librariesから確認できます。

Eagleを立ち上げると、ライブラリが入っていることを確認できます。

milling.lbr内のMILLNG.pacには2.54 mm × 1mmのメッキ付き長穴のデータが入っています。異なるサイズの長穴が必要な場合は、ご自身で編集してください。

スイッチサイエンスPCBのガーバービューワーだと、メッキと穴の部分がグレーで塗りつぶされますが、製造上の問題はありません。


実物はこんな風に出来上がります。写真だと分かりづらいですが、穴の内側もメッキ加工されています。


MILLING.lbrを修正するときの注意事項

  • 長穴のサイズを1mm x 2mm以上にする。
  • レイヤは「46 milling」を使用する。Eagle以外のCADを使用する場合は、外形データ(GML/GKO)のガーバーファイルに書き出されるレイヤを使用する。
  • メッキ部の幅を0.156mm以上にする。



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