wiki:ソルダステンシルを切削加工で作成する方法

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ソルダステンシルを切削加工で作成する方法

面実装をするとき、半田ペーストの載せる位置がとても重要です。 このページではソルダステンシルを基板加工機を使い、切削加工で作る方法について検討した結果についてまとめたものです。 (2011 Jan. 11時点でまだ試行中)

原理

ステンシルの本体に当たる母材と下敷きになる基材を仮接着して、CNCを使ってドリルやミルで切削して穴をあけます。 穴開け加工が終わったら、母材と基材の接着をはがし、ステンシルが出来上がります。

何故切削加工か

ステンシルを作成する方法では、その他にCNCカッターでシートを開削する方法、レーザーでカットする方法などがあります。 それぞれ長所・短所があります。

  • CNCカッター
    • メリット:設備が最も安価
    • デメリット:ステンシル母材を選ぶ。カッターの厚みがあるので、加工痕の凹凸が出る。
  • レーザー
    • メリット:工具の大きさの制約がなくて微細加工に特に向く。
    • デメリット:装置が高価。金属製のステンシルを作成する場合は特に高価。
  • 切削加工
    • メリット:母材の材料を選ばない。
    • デメリット:基材を毎回消費するのでランニングコストが高い。

制作例

制作には、FPGA-Cafeに設置されているMITS社基板加工機MITS Eleven Autoを用いました。 ステンシルは全て0.8mm角のパターンだったので、0.8mmのドリルを用いて丸穴をあける事で代用しました。 また、穴開け位置を変えず、0.3mmのドリルの切削を試したケースもあります。 母材・基材・接着剤・加工後の状況を以下に記載します。

組み合わせ番号 母材 基材 接着剤 ドリル寸 加工後の状況
1 リン青銅 0.2t ベークライト 2t 3M・スプレーのり55 0.8φ 良好な加工。バリも無い。
2 リン青銅 0.2t MDF(集成合板) 2t 接着無し(テープのみの固定) 0.8φ 3φ 失敗。ドリルを引き上げたときに穴も上に引き上げられ、母材の平面が出ず。
3 銅 0.2t ベークライト 2t 3M・スプレーのり55 0.8φ 3φ 一部接着前の母材の凹凸の影響を受けた箇所がある。リン青銅は銅に比べ母材が固く凹凸が出にくい。
4 PET 0.2t MDF 2t 3M・スプレーのり55 0.8φ 3φ 接着材の除去剤でPETが溶け、厚みが変化した箇所が出た。
5 PET 0.2t MDF 2t ランプのり 0.3φ MDFにドリルで穴開けが出来ず。ランプのりが極圧潤滑剤として働いた可能性がある。
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