= ご自宅リフローキット = 世界初(当社比)の「ご自宅リフローキット」。 [[Image(1.jpg)]] [wiki:32u4bb ATmega32U4搭載の小型ボード]を作ります。 [[Image(2.jpg)]] あくまでもリフローを試していただくのが目的なので、できあがったボードの機能とか回路については期待しないでください。 == 内容物 == * 部品リスト * 部品ケース(部品リストの番号ごとに部品が入っています) * プリント基板 * 特殊紙ステンシル * クリームハンダ少量 == ご用意いただくもの == * 必須 * ピンセット * スキージ(不要なテレホンカードなど) * 不要な基板のきれはし(1.6mm厚)4枚くらい * セロテープ * ホットプレート * できれば用意してください * ルーペ * アルコール(掃除に使います) * ハンダ除去用品(低融点ハンダ、ハンダゴテ、ハンダ吸取線、ハンダ、フラックス、ホットエアリワーク装置等) ホットプレートは家庭用で十分ですが、炊事用と共用しないでください。 安い物ですので、このために新調してください。 選択のポイントは、以下のとおりです。 * プレート部分が平面である事(凹面、凸面、波状でない) * 温度設定が可能な、温度制御機能が有る事 * 最高温度が230°C以上である事 * フタ付き、できればガラス蓋 たとえば、以下の物をお勧めします(2000円)。 http://www.amazon.co.jp/gp/product/B0016V45MG == 概要 == 主な部品は1608サイズです。 部品は、番号のついたピルケースにバラで入れてあります。 ケースを開ける際は、どこかに飛ばさないように気をつけてください。 静電気でケースの隅に張り付いている事もあります。 USBコネクタはマイクロUSB Bレセプタクルです。 ファームウェアの書き込みには、書き込み装置は不要です。 チップ出荷時のブートローダがDFUをサポートしているので、USB経由で書き込みます。 [http://www.atmel.com/dyn/products/tools_card.asp?tool_id=3886 AtmelがこのためのFlipという書き込みソフトを配布しています。] ブートローダを書き換えたい場合には、書き込み装置を使って書き込む必要があります。 AVR ISP mkIIなどの書き込み装置を用意してください。 ICSPに必要な信号はすべてエッジに出してあります。 ICSPの6ピンに変換する配線を行なってください。 エッジのピンヘッダのシルク印刷は、現在開発されている途中であるArduino Leonardoとの互換をめざした物です。 しかしながら、基板製作後にAVRのピンとの対応が変更されたため、一部異なります。 特に、A6以降が異なるでしょう。ご注意ください。 == 部品表 == ||#||数量||値||種類||場所||メーカー||型番|| ||1||1||0.12A||FUSE||F1||Raychem||NANOSMDC012F-2|| ||2||3||0.1u||C1608||C2, C4, C5||汎用品|| || ||3||4||1k||R1608||R5, R6, R7, R8||汎用品|| || ||4||1||1u||C1608||C1||汎用品|| || ||5||2||10k||R1608||R3, R4||汎用品|| || ||6||1||10u||C2012||C3||汎用品|| || ||7||1||16MHz||CERALOCK||X1||Murata||CSTCE16M0V53-R0|| ||8||2||22||R1608||R1, R2||汎用品|| || ||9||1||ATMEGA32U4-AU||AVR||U1||Atmel||ATMEGA32U4-AU|| ||10||1||GREEN||LED1608||PWR||汎用品|| || ||11||1||BLUE||LED1608||L||汎用品|| || ||12||2||RED||LED1608||TX, RX||汎用品|| || ||13||1||TACTSWITCH||SWITCH||S1||ALPS||SKRP|| ||14||1||ZX62-B-5PA||MICROUSB||J5||Hirose||ZX62-B-5PA(11)|| == 製作手順 == ビデオも参考にしてください。 http://www.youtube.com/watch?v=Y4Rwqajb1HY === 基板を机に固定する === [[Image(3.jpg)]] 基板を机に固定します。 もちろん、接着してしまうわけにはいきません。 不要な基板の切れ端4個で取り囲むように固定し、切れ端だけを机にセロテープで貼り付けます。 基板が動くことの無いよう、しっかりと取り囲み、しっかりと貼り付けます。 あとで基板を取り外すので、ピンセットが入る隙間を空けておいてください。 === ステンシルを固定する === [[Image(4.jpg)]] 机に固定した基板の上に、ステンシルを固定します。 ステンシルの表裏を間違えないでください。 表には黒マジックでマークしてあります。 これを、先ほど固定した基板の上にかぶせ、位置を合わせます。 ステンシルの穴から、基板上の銀色の部分がぴったり見えるようしてください。 ここで、ずれないように注意しながら、ステンシルの左端と右端を机にセロテープで貼り付けます。 ずれないために、左端は、ステンシルの上から下まで貼り付けるといいですね。 右端は、あとではがしやすいよう、セロテープの端を折り曲げておきます。 === クリームハンダの塗布 === 3ステップで行います。 スキージの先端にクリームハンダを付けます。 ステンシルの左端付近にスキージを降ろし、机に水平に近い角度にして、クリームハンダを下に押し付けるようにして、スキージを右にずらします。 弾力性のあるスキージを使う場合には、ぐにゃっと曲げて、スキージの先端から1~2cmが水平になるようにするといいでしょう。 次に、余計なクリームハンダを掻き取ります。今度はスキージを机に垂直にして、左から右に移動します。 あまり強く掻きとる必要はありません。強く押し付けると、ハンダが少ししか残らず、成功しません。 === 部品を搭載する === 基本的に、小さいもの、背の低い物から順に、基板上の所定の位置に置きます。 このキットの場合は、1番~8番、9番を飛ばして、10番~12番、最後に残りの9番、13番、14番という順で搭載すればいいでしょう。 それぞれ、置いたら、部品の上から軽くピンセットで押して、固定を確実にしてください。 上から押すまでは、場所や向きの修正は可能です。 押した後は、修正はできません。 修正したい場合は、すべての部品を剥がして、アルコールでキレイにしてから、クリームハンダの塗布からやりなおしてください。 基本的に、足が正しい場所に載っていさえすれば、'''方向や位置をあまり厳密にまっすぐにする必要はありません。''' 「セルフ・アライメント」と呼びますが、リフローの際にハンダが融けると、勝手にまっすぐになります。 '''ピンセットにクリームハンダが付着しないように気をつけてください。''' 付着すると、以後ピンセットに部品がくっついてしまって、作業性がものすごく悪くなります。 付着した場合は、アルコールでキレイにしてください。 '''CR部品は中央を持つといいでしょう。''' この場所であれば、基板上に降ろした時に、ピンセットにクリームハンダが付着しません。 [[Image(5.jpg)]] 以下の部品には向きがあるので、注意してください。 * 9番(AVRマイコン) 部品上のカドに丸い印が有る部分を、基板上の白い丸に合わせます。 * 10番、11番、12番(LED) 透明感の有る側が表。表から見て、小さい粒が埋まってる側を、基板上の▲の頂点に合わせます。 以下の部品の搭載はちょっと難しいです。がんばってください。 * 9番(AVRマイコン) * 14番(マイクロUSB Bレセプタクル) 9番AVRマイコンは、なるべく水平になるようにピンセットで持って、基板に置きます。 この時、刷ったハンダとハンダの間に足が落ちると、位置の微修正ができません。 基板を逆さまにすると、このチップだけがはがれて落ちるので、やりなおしてください。 すべてのピンがハンダの上に乗ったら、ピンセットを使って位置を微修正してください。 正しい位置になったら、部品の上から軽くピンセットで押して固定してください。 14番マイクロUSBレセプタクルは、ピンセットを使わず、手で置くのがお勧めです。 ピンはとても細く、間隔は0.5mmしかありませんし、上からは見づらい場所にあります。 横から見ながら、正しい位置に置いてください。 きちんとハンダの上に乗ったら、ピンセットを使って向きを微修正してください。 正しい位置になったら、部品の上から軽くピンセットで押して固定してください。 === ホットプレートでリフロー === [[Image(6.jpg)]] リフローします。 1. 基板をホットプレートに載せ、フタを閉めます。 1. 180°Cくらいの設定にして、3分間温めます(これをプレヒートと言います)。 1. 次に、230°Cくらいの設定に変更して加熱します。 1. 基板上のクリームハンダの状態をよく見てください。 1. ぷるぷると、ハンダが融け始めます。最初は基板上の一部ですが、すぐに全域で融けます。 1. 全域で融けたら、そのまま30秒待ちます。 1. スイッチをオフにして、冷えるのを待ちます。 1. 冷えたら出来上がりです。 早く取り出したい時は、スイッチをオフにして30秒くらい待ち、ハンダが固化してからフタを取り外してください。 === 目視検査 === 目視検査をしましょう。 できればルーペを使って、ハンダブリッジが無いかどうか確認してください。 まれに、部品が飛んで無くなっていたり、片足が浮いたりという事もあります。 ブリッジが有る場合には、ハンダゴテ等を使って修正してください。 低融点ハンダが有ると、とても簡単ですよ。 http://www.switch-science.com/products/detail.php?product_id=749 === 簡単なテスト === 電源が入る事くらいは確認しておきましょう。 いきなりパソコンにつなぐと、パソコンを悪くしてしまう可能性もあります。 エネループモバイルブースターのようなUSB出力の有る電源を使うのがお勧めです。 == 使い方 == [wiki:32u4bb 完成したボードの使い方は、別のページで説明します。] ''(2011/11/25)''