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2017.12.1



Conta規格基板群の設計指針


標準モジュールの設計

Conta規格とは、breakout 基板の外形・コネクタ・信号配列などに一定の規約を設けることで、各基板間の相互接続性を確保するための規格です。
Conta規格における「標準モジュール」とはセンサーICなどが乗る小さな機能基板(いわゆる breakout 基板)を指し、Conta の基準・起点となる基板のことです。
標準モジュールは以下の特徴を持っています。

  • 外形は 2㎝×2㎝の正方形とする。
  • 基板の固定穴は2つ。
  • 電源は3.3Vを基本とし、必要に応じて5.0V を用いる。
  • 利用する信号は、I2Cバス、SPIバス、汎用IOを用いる。
  • コネクタは、I2Cバス、SPIバス、汎用IOを主体とした3個のコネクタで構成される。
  • 3種のコネクタと5.0Vの電源ピンは必要に応じて選択される。

標準モジュール

標準モジュールの基板形状

  • Conta規格ではインチスケール(厳密にはmil)で配置を考えます。
  • EagleのContaライブラリ内に、コネクタ・基板外形・固定穴・シルクなどが一体となったシンボルがあるのでそれを利用すると形状は決定します。
  • もし利用したい組み合わせのシンボルがない場合には、標準モジュール外形の規格を参考にコネクタ・固定穴を配置します。
  • 標準モジュール外形のページでも解説したように、基板の原点は基板外形線から6milずらした位置に設定すると他のパーツの配置が楽になります。


標準モジュールの固定穴

  • 標準モジュールの固定穴は、Conta規格に則って2つ配置されます。
  • 標準モジュールの固定穴はConta規格により決まっています。
  • 使用するネジはM2ネジです。よって、固定穴は2.2mmΦ、ネジ避けは4.5mmΦになります。
  • EagleのContaライブラリには、シンボル内に2つの固定穴が含まれています。
  • 規格では規定しませんが、基板間は11mmを想定しています。(一般的なピンヘッダとソケットの組み合わせ)


標準モジュールの電源

  • Conta規格ではモジュールの電源は3.3Vが基本です。
  • ただ、過去との互換性や電力供給に余裕を持たせるため、5V供給ピンを物理的なオプションとして用意してあります。必要に応じて実装してください。
  • 3.3V、5V以外の電圧が必要な場合は、基板上にレギュレータを実装して供給してください。


標準モジュールのコネクタ

  • 標準モジュールのコネクタは、3つのコネクタと2本の拡張ピンで構成されています。
  • これらモジュール側のコネクタはピンヘッダを実装することを想定しています。
  • 各コネクタ・拡張ピンの位置はConta規格により決まっています。
  • 3つのコネクタと2本の拡張ピンは必要に応じて配置します。詳細は規格に則ってください。
  • EagleのContaライブラリには、I2C、SPI、汎用IOのコネクタが搭載されたもの、信号シルクの有無などのバリエーションが含まれているので、用途に合わせて利用してください。(全ての組み合わせがあるわけではありません)


標準モジュールの信号線

  • Conta規格では一般的な breakout 基板と同様に、なるべくシンプルに信号を引き出します。
  • モジュールからの信号とマイコンボードとのインターフェースは基本的に基板外で実装します。
  • ただしレベルシフタのように基板のIC等と不可分な場合には、基板上に実装することを勧めます。
  • 信号のプルアップ等は規格上では特に規定しません。動作に支障がありそうな場合には適切に追加してください。
    • コネクタ1のI2Cにおける注意点
    • I2Cバスにはプルアップが必要ですが、Conta 規格上では特に規定しません。一般的な breakout 基板と同様に処理してください。
      (例1:モジュール上にチップ抵抗のパターンだけ用意し、未実装状態で商品化する
      例2:値の大きな抵抗を実装し、並列接続時の影響を少なくする)





拡張モジュールの設計

Conta規格における「拡張モジュール」とは、規格に則って大きさを拡大したモジュール基板群を指します。
具体的なイメージは、約2cm四方の標準モジュールをタイル状に敷き詰めて、2倍や4倍(必要ならそれ以上)の大きさにした長方形・正方形の基板となります。

拡張モジュールの基板形状

  • 拡張モジュール設計時にもインチスケール(厳密にはmil)で配置を考えます。
  • 標準モジュールをタイル状に敷き詰める場合には、インチグリッドに各パーツを配置する関係で、0.8インチ(800mil)× nの間隔で敷き詰める必要があります(理論外形)。基板外形の2㎝では無い点に注意が必要です。
  • 最終的な基板外形線(実外形)は、標準モジュール × n の理論外形から4辺とも6mil内側にずらした位置になります。
    • 例)3x2(6倍)の場合
    •  論理外形は、「2.4インチ(2400mil) × 1.6インチ(1600mil)」となります。
    •  実外形は論理外形から12mil(6mil×2)小さくなるので、「2.388インチ(2388mil) × 1.588インチ(1588mil)」となります。
  • EagleのContaライブラリ内には拡張モジュールのシンボルは用意してありません。


拡張モジュールの固定穴

  • 拡張モジュールの固定穴は、Conta規格に則って2つ以上配置されます。
  • 使用するネジはM2ネジです。よって、固定穴は2.2mmΦ、ネジ避けは4.5mmΦになります。
  • 固定穴には力が掛かることが想定されるので、出来るだけ基板の角に穴があるのが望ましいです。
  • EagleのContaライブラリ内には、拡張モジュールのシンボルは用意してありません。
  • 規格では規定しませんが、基板間は11mmを想定しています。(一般的なピンヘッダとソケットの組み合わせ)


拡張モジュールの電源

  • 拡張モジュールにおいても標準モジュールの電源と考え方は同じです。
  • 基板面積が広くはなりますが 5V供給ピンを単独ピンとしては実装出来ません。必ず他のコネクタと一体となるように配置してください。


拡張モジュールのコネクタ

  • 拡張モジュールのコネクタも、3つのコネクタと2本の拡張ピンで構成されています。
  • これらモジュール側のコネクタはピンヘッダを実装することを想定しています。
  • 3つのコネクタと2本の拡張ピンは必要に応じて配置します。詳細は規格に則ってください。
  • 各コネクタ・拡張ピンの位置はConta規格により決まっています。配置候補のどこかに設定します。
  • コネクタ・拡張ピンは基板の保持のためにも出来るだけ基板の角にあるのが望ましいです。(規格では下辺に1つ以上配置するとしています)


拡張モジュールの信号線





ベースコネクタの設計

Conta規格の標準モジュールや拡張モジュールが刺さる受け口を「Contaベースコネクタ(もしくはベースコネクタ)」と呼称します。
ベースコネクタそのものはConta規格で規定はしていませんが、なるべく多くのContaモジュールに対応できる実装が望ましいです。
ベースコネクタ側のコネクタはピンソケットを実装することを想定しています。

標準モジュール用のベースコネクタ

  • 標準モジュールは外形・固定穴位置・コネクタ位置が1種類しかないので、すべてのコネクタ・5Vピンを実装するのが理想です。
  • ベースコネクタが乗るシステムの都合により、5Vや信号の一部が無い機能限定版として実装することも許可されます。(サポートできるモジュールが減るだけ)
  • 5Vピンを含めたすべてのコネクタを実装した場合、ピンソケットをコの字に配置するので、ソケット同士の物理的干渉に注意する必要があります。
  • ベースコネクタ側に配置した取付け穴は固定方法に合わせて穴径・ネジ避けを設定する必要があります。
  • 固定穴にM2ネジを使用する場合は、穴径は2.2mmΦ、ネジ避けは4.5mmΦになります。
  • 固定穴にマックエイト社の「TH-1.6シリーズ」を使用する場合は、穴径は2.6mmΦ、ネジ避けは5mmΦになります。
  • ネジ避け部分は部品配置・パターン配置は禁止となります。


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