EAGLE覚え書き
プリント基板の設計にはEAGLEを使っています。 非営利用途には無料だっていうので使い始めて、商売っぽくするので購入しました。メーカーの思惑通り! CADとしては普通な使い勝手なのでしょうけど、パソコン方面から来た人間にはちょっと不思議な使い勝手。 使いづらいなーって思う場面もあるけれど、これが無かったら基板設計なんてやろうと思わないわけで、わりと満足してます。
悩んだところを逐次メモします。誰かのためと言うより、自分のための覚え書きです。
いつも忘れるレイヤの使用目的
- 基板上に会社名とか日付を書き込みたい→「21 tPlace」「22 bPlace」
- 部品を配置したくない→「39 tKeepout」「40 bKeepout」
- 配線を通したくない→「41 tRestrict」「42 bRestrict」
- ビアを置きたくない→「43 vRestrict」
用語がわかりません
- Restring
- 「レスト・リング」。「リ・ストリング」ではありません。 スルーホールの穴そのものの周りの銅箔の輪っかのこと。
- Annular Ring
- 「アニュラー・リング」。どうやら、Restringと同じ意味らしい。
- Annulus
- 「アニュラス」。 一般用語。二つの円に挟まれた環状の形を示す言葉。
ベタアース
ベタアースを生成するには、
- 生成したい範囲にポリゴンを描く。
- ポリゴンにGNDという名前を付ける。
とする。 以後、「Ratsnest」コマンドを実行すると、ベタアースの形状が計算されて画面に表示される。 配線を描き直してもベタアースは自動的には再描画されない。何が何だかわからなくなる。 こんなときも、「Ratsnest」コマンドで再描画する。
ベタアースを一時的に消したい場合は、
- ベタアースの外形のポリゴンを「Ripup」する。 意味的に「Ripup」とは違う気がするが、そうなってる。 「Ripup」しても、ポリゴン自体は消えないので心配しなくていい。
- たいてい、同じ場所に表裏のベタアースのポリゴンを置いているので、選ぶのはちょっと面倒。 「Ripup」→「左クリック」→「左クリック」→「左クリック」→「右クリック」→「左クリック」。
なんだけど、「Ratsnest」のたびにベタアースが表示されてしまってうざい場合は、
- メニューの「Options」→「Set」の、「Misc」タブの、「Ratsnest processes polygons」のチェックをオフにする。
です。
ベタアースは最終工程で
ベタアースを設定するのは、設計工程のなるべく最後の方がいいです。 最初の方でベタアースを設定してしまうと、
- 配線を変えるたびに「Ratsnest」する必要があってめんどくさい、
- ただでさえ、表裏が重なって見づらいのに、よけい見づらくて作業しづらい、
- GNDの配線が遠回りしてしまうことがある。
GNDの配線が遠回りするのはまずいです。 せっかくパスコンを入れたのに遠回りされちゃったりとか。 そんなことにならないためのお勧め手順。
- ベタアースを設定せずに、ちゃんとGND線も配線しながら設計する。
- よさげになったら、GND線を全て「Ripup」する。
- ベタアースを設定する。
レジストがビアを避けてしまいます
ハンダ付けするわけでもないのに、レジストがビアを避けてしまいます。 上に水晶とかUSBコネクタとかがあったら気持ちが悪いなあ。 という場合には…。
デザインルールの「Masks」タブに「Limit」という項目があります。 ここに指定した大きさよりも大きなビア(ビアの穴の直径で判定)がある場合、レジストはそのビアを避けます。 当然、ここに「ゼロ」を指定していると、全てのビアをレジストが避けます。 ここに「0.4mm」とか適当な値を指定すると、小さなビアはレジストが被覆します。
一般論ですが、ビアをレジストで被覆するかどうかは賛否有るようです。 ビアにレジストをかぶせると、ビアの穴の中にレジストが入り込み、
- ビアの中に泡ができた場合、その後のリフロー工程で泡が熱膨張してはじける
- レジストの残留物がビアのスルーホールの金属を酸化させる
などといった恐れがあるそうです。
(2008/9/28 - sgk)